夏山建築設計事務所--[理念]

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－学校－

教育施設である学校は、学びの場として定義づけられます。
多くの学校建築はその『学ぶ』施設としての機能面を重視して計画されます。
しかし、学校はただ教科の勉強をするだけの場所でしょうか。
子供たちにとって、一日の大半を過ごす学校は、学び・遊びを通して新たな知識に触れ、
又、先生や友達を通して新たな人格に触れる場でもあると思います。
学校建築は、そのようなこと全てが十分に発揮され、子供たち自身が持っている可能性を
最大限に引き出せる『夢のある楽しい空間』でありたいと考えます。

『夢のある楽しい空間』で、子供たちは様々な体験を通して知識を得、
こうありたいという創造性を育み、
自分の可能性を信じるとともに他人の可能性も大切にする
ということを身に付けるのではないでしょうか。

学校は、人間愛育成の場であると考えます。

教室の窓からの景色
体育館への渡り廊下
初めての解剖実験の驚き
給食の匂い
階段での語らい
いたずら
放課後の遊び
理科室の不気味さ
美術室や音楽室の静けさ
職員室の独特の雰囲気
夕方の校庭の淋しさ
文化祭の準備

そして、学校建築は日本全国どこにでも通用する
ただ切り取られた空間ではないと考えます。
その土地・歴史・環境・日の当り具合・風邪の匂い等、
その場に呼応した建物であるように思います。

－家－

おかあさんの匂いは　どんな　どんな　匂い
ねえさんかいもうとに　よくにた匂い
かまどに　いろりに　ただよう匂い
わかった　わたしの　おうちの匂い

「サトウハチロー　おかあさんの匂い」より

この詩にうたわわれているように、母という字で代表される言葉には
やすらぎや安心と言う意味が包括されています。
英語にも　MOTHER-EARTH（母なる大地）と言う言葉もあります。

私たちが『住まい』をイメージ、もしくは考える時、
生活の場としての機能的充足に加えて、安住の場としての
精神的側面の重要さに気付きます。
『家』として完成される為には､機能だけではなく
心の充足が求められていると考えます。

家庭においての安心感は、各家族個人の責任によって
培われる要素が大でしょうが、『住まい』のハードを作る者として
『住まい』のソフト的側面をも留意してゆきたいと考えます。